阿古陀形兜(あこだ なり かぶと)
室町時代に発達した兜の種類である。
直訳すると「阿古陀の形の兜」という事になる。頂点がややくぼみ、前後に膨らんだ鉢の形が、阿古陀瓜(金冬瓜ともいう)の形を象っている事に由来する。
阿古陀瓜とは今で言うカボチャの一種であり、特に赤くて平たく丸い物を指すとされている。
よって、阿古陀形兜の中にたまたまオレンジカボチャに見えるものがあったとしても、それは決して季節のイベントに便乗したとかではなくて、寧ろ阿古陀形兜本来の姿を再現したと言った方が妥当であろう。
更にカボチャの顔をくり抜いたように見えるものがあったとしても、それは寧ろ前立のバリュエーションの一つであろうし、三角帽子のようなものが見える場合、それは当然烏帽子を象ったものと考えて然るべきである。実際、烏帽子を象った兜は数多く、加藤清正や上杉謙信などの所用の品が現在にも残っている。
また、背後を蝙蝠(学名:モトチカ)が飛んでいることから西洋の祭りとの関連性を指摘する輩がいるようだが、兜の絵の中に戦国武将がいるのは逆に自然な事と言えよう。えーと、あとは、あー、とにかく、硬派な戦国甲冑絵なのだ。これは。